薪ストーブのある風景~お店探訪録Vol.1~【ARCH HERITAGE】編
札幌の市街地を東西に分かつ創成川、札幌に住む人間にとって
所謂"街(マチ)"という呼び名は久しく西側のエリアを指す言葉でした。
しかしここ数年、
東側のエリアにはお洒落なカフェや本格的なクラフトビールを楽しめる店、
本場帯広に負けない旨さの豚丼屋などが店を構えて
以前に比べ非常に活気付いてきました。
現在「創成川イースト」という呼び名で親しまれているその地区に
ひっそりと佇む古いビルの一階に【ARCH HERITAGE-アーチ・ヘリテージ】はあります。
今や札幌のみならず全国へ名を馳せるセレクトショップへと成長した
【ARCH-アーチ】の姉妹店として2006年にオープンした同店。
その魅力に迫ってみたいと思います。
まず目を惹くのがその外観。
形や色の違ういくつもの扉が並ぶエントランスは
さながら海外のアパートメントのよう。
店内に入ると吹き抜け二階建ての開放感溢れるフロアが眼前に広がり、
まるで本当に海外を訪れたような錯覚に陥ります。
ALDEN、LL BEAN、FILSONやRUSSEL MOCCASINなどの
オーセンティックな海外ブランドから
A VONTADEやKENNETH FIELD、KAPTAIN SUNSHINEといった
新進気鋭の国内ブランドまで幅広く取り扱う同店。
ミリタリー、ワーク、アウトドア、トラッド。
様々なジャンルのアイテムをセレクトしていますが
一貫しているのは古き良きアメリカの精神を感じ取れること。
ただ商品を売るのではなくアメリカの歴史背景と共に発信したい、
そんな彼らの情熱が感じられるラインナップとなっています。
赤と黒のバッファローチェックがトレードマークのFILOSNマッキーノ・クルーザージャケット、
INDIVIDUALIZEDやBROOKS BROTHERSのスタンダードシャツ、
MSG&SONS(アーチオリジナルレーベル)のUS ARMYベイカーパンツなど
時代を超えて永く愛され続けるであろう定番商品の数々は
弊社が取り扱う薪ストーブの世界にも通じるのではないかと思います。
とりわけ力を入れているのがMADE IN USAに拘った靴製品。
特に今もなお"メイド・イン・メイン"に拘り続けるQuoddy(クオディ)がイチオシだそうで、
同社のモカシンタイプのローファーはホーウィン社のクロームエクセルレザーを
使用し手作業のすくい縫いによって作られた逸品。
一枚革で作られている為、包み込まれるような履き心地は抜群。
まさに"True Penny Loafer"の名に相応しい一足です。
二階部分は元々レディースを扱うスペースでしたが、レディース部門移転に伴い現在は
【STOCK YARD】という名のスペースに。
"STOCK YARD=ミリタリー倉庫"という名称は、
同店を運営するミサンガ・インターナショナルが所有する古着倉庫を意味しており、
開業からの18年間で世界中から集めた選りすぐりのヴィンテージやブランド・アーカイヴを
惜しみなく放出するという期間限定の企画。
古着屋からスタートした彼らならではの"服を掘る"愉しみを味わえる
今となっては貴重な空間となっております。
私のお気に入りはスニーカー・コーナー。
レギュラーモノから変わりダネまで数十足の在庫を有し何時間見ていても飽きません。
中にはフランス製や西ドイツ製のアディダスといった貴重なヴィンテージモノもあります。
勿論いつ訪れても素敵なショップに違いないのですが、
個人的におすすめのシーズンはやはり秋から冬にかけて。
壁面いっぱいに積まれた薪、ストーブの赤々と燃える炎を眺めながらゆったりと洋服を選ぶ。
北国ならではの特権だと思います。
元々古いビルの倉庫部分を改装しているため真冬はかなり冷え込むのですが、
2台の薪ストーブをフル稼働してお客様をお出迎え。
メインエントランスから右手、
一階部分はバーモント・キャスティングス社のディファイアント(クラッシクブラック)が、
階段を上って二階すぐ右手には同社のアンコール(ホウロウレッド)が鎮座しています。
ちなみにバーモント・キャスティングスの故郷バーモント州は
先述のQuoddyやL.L. BEANがあるメイン州、ALDENのマサチューセッツ州と同じ
ニューイングランド地方。
アメリカ合衆国の中で最も古い歴史を持つこの地域には
こうした今もなお人々を魅了するブランドが数多く存在しています
(個人的にこの地域がすごく好きなのですが話が長くなりそうなのでこの辺で)。
さて。ご承知のように現在日本のみならず世界は大変な状況に置かれています。
積極的にご来店下さいとは言えない状況下で、
今後同店ではネットショップの強化を一層図ると共に今の環境でどう洋服を楽しむか、
どうやってアーチ・ヘリテージならではの視点で新たな提案をしていこうか、
といった部分も模索していきたいとのことでした。
「ステイホームが叫ばれる中、例えば部屋着を楽しむための
アイテム選びだったり自分のワードローブを見つめ直してみることだったり。
そういった部分も提案していけたらと考えております。」
(アーチ・ヘリテージ 店長 岩谷氏談)
当ブログをご覧の皆様も現在の状況が落ち着きましたら是非足を運んでみて下さい。
【ARCH HERITAGE-アーチ・ヘリテージ】
住所 北海道札幌市中央区南4条東1丁目9-3
営業時間 平日(月~金)13:00~20:00/土曜日・日曜日・祝日12:00~20:00
定休日 不定休
電話番号 011-281-5560
ウェブサイト http://www.arch-heritage.com
【追記】
昨今のコロナ禍の影響下で大変苦しい状況にあるお店を
何とか手助けしたいという思いから本企画を立ち上げました。
主に弊社で薪ストーブを設置させていただいたお店を
順次ご紹介していけたらと考えております。
自粛ムードの中、少しでも楽しい気持ちになれるような、
そんなシリーズにしていきたいと思っています。
今後とも宜しくお願いします。
舛森